金木研

金木研

原名:

金木研

本作第一部の主人公である青年。12月20日生まれのいて座。血液型AB型。愛称は「カネキ」。上井大学文学部国文科一年生で、20区内のマンションで一人暮らしをしていた。喰種のリゼに捕食されかけ瀕死になるものの、リゼの頭上より鉄骨が落下してきたことにより九死に一生を得る。搬送された病院でリゼの臓器を移植されて生き延びるが、その代償で半喰種となり、喰種の世界に関わることになる。喰種化したことで苦悩していたが、あんていくの店長である芳村に救われ、区内に暮らす喰種の集まる場所でもある同店で働くこととなる。そこで人間と喰種双方の苦悩に触れながら自ら生き方を模索するが、アオギリの樹からの拉致とヤモリの拷問を契機に、忌避していた喰種の本質を受け入れ、大切な人々を守るために戦う道を選ぶ。元来の性格は内向的かつ温厚で、亡き母の影響で自己犠牲を尊ぶ受け身な考え方を持っていたが、アオギリの騒乱による一連の事件を経て敵対者に容赦しない冷徹かつ攻撃的な一面を持つに至った。また、ヤモリの執拗な拷問が彼の思考や人格にパラダイムシフトをもたらしたためか、ヤモリの人格と癖を模倣し強い喰種を喰らうようになった。
アオギリの本拠地から脱出した後はあんていくに戻らず、バンジョーや月山、ヒナミたちと反アオギリを掲げて行動を共にする。その後、半年間共喰いのみを行い、不完全ながら赫者となる。嘉納を追い詰める際、篠原を防戦一方に追い込みSSレート認定を受けるほどの実力を発揮するが、その際に自我を失った錯乱状態となり、バンジョーを手にかけようとしたところで正気へと戻った。その後、自身の疑問からあんていくで芳村と会話し、その直後のトーカからの叱咤から自分の間違いに気づき反アオギリを解散する。
あんていく襲撃時には、芳村たちを助けに単身あんていくに向かう。途中、円児とカヤを助けながらも、あんていくに繋がる道にて亜門と激戦を繰り広げ致命傷を負ってしまう。そのため極度の飢餓状態に陥り、リゼやヤモリの幻覚にうなされてしまう。しかし、逃げ込んだ地下道でヒデと再会する。ここから先の記憶はなく、ルートV14で逃げた喰種を全滅させた有馬と遭遇。ヒデの助言に従い理性と狂気を総動員した持ち得る能力の全てを駆使しIXAの防御壁を損傷させるほどの奮戦を見せるが、それすら叶わず圧倒された末に両眼を貫かれて駆逐された。
半喰種であるため食性や身体能力は喰種と同じであるが、赫眼は左目だけに現れ、自分の意思で発現をコントロールできないため、外出時は眼帯をつけている。マスクは普段とは逆に赫眼のみを露出する構造になっている。このマスクの特徴により亜門からは「眼帯の喰種」と呼ばれている。赫子はリゼと同じ先端が鉤爪状になった鱗赫で、右の腎臓付近から発生する。半赫者となった際には、百足のような赫子に、左顔を覆って胸元に向けて尖って伸びた一つ目の面が現れた(元々複数の赫包が発達しているのか、リゼの人格が現れたためかは不明だが、平常時の赫子が6本ある状態の赫子も出せる模様)。この赫子の特徴からCCGにより「ムカデ」の呼称が付けられる。標準的な喰種に比べると体の堅牢さに劣るが、喰種からも異常と見られるほどの回復力を持つ。嗅覚の優れた喰種たちに言わせると喰種や人間とも違う体臭であると指摘されているが、リゼと面識のある者からは彼女の匂いを感じ取られている。Rc検査ゲートと呼ばれる喰種判別装置に反応せず、肉体的に人間的な要素が多く残されている描写がなされている。生きた人間の肉を食らった後に、リゼを思わせる人格が現れることがある。当初は黒髪だったが、ヤモリの拷問による後遺症で白髪となった。
幼くして母を亡くしたことで孤児になり、伯母一家に引き取られて暮らしていたが、伯母によるネグレクトに遭っていたため、親友のヒデが心の支えになっていた。読書が趣味で主にミステリーを好んで読んでおり、作家・高槻泉のファンである。独白シーンではたびたび小説の引用で心境が語られている。