白笛の一人。「不動卿」「動かざるオーゼン」の異名を持つ。外見は身長2mをゆうに超える[14]妙齢の女性だが、50年以上前から白笛としての名を馳せている。マルルクを助けて以来地上に戻らず、深界二層の「監視基地」で暮らしている。探窟隊「地臥せり(じぶせり)」のリーダーでもある。長年の上昇負荷の影響で頭皮が捻れてきており、それを隠すため変わった髪型をしている。体中に一級遺物「千人楔」を100本以上埋め込んでおり、白笛の中でも無類の怪力を誇る。かつてはライザの師匠であり、長じてからは相棒のような存在であった。また、ライザの白笛を見つけたのも彼女。
監視基地にやってきたリコとレグを一泊させた後リコの出生の秘密を明かすが、その際のあまりに辛辣な態度に憤激したレグと戦闘になり、一方的に叩きのめすものの、後に二人に下層で生き抜くための生存訓練を受けさせ、口外無用と念を押した上で、自らの知り得るアビスの秘密を伝えた。二人が基地を去る際には、ライザの形見の武器である無尽槌を渡す。
その後、ジルオと共に[誕生日に死ぬ病]を調べることになる。
自ら「子供騙しは嫌い」と言い切る、辛辣でひねくれた性格の持ち主であり、二人の実力と覚悟を試す為であったとは言え、レグやリコに対しての圧迫的な態度や攻撃は本気でやっていた物らしい。また、大人げないと周囲からよく言われる模様。しかし、マルルクを救ったり、リコとレグを鍛え上げたり、ライザを弟子に取り「白笛」となるまで成長させるなど、なんだかんだで面倒見がいい人物。ライザから結婚の報告を受けた時に、絶望したようなショックを受けた表情をしていたことから、彼女に魅せられていた事が窺える。
力や耐久力は凄まじく、ドリルでも傷ひとつ付かないレグの腕を軋ませたり、デコピンでリコを吹っ飛ばしたり、鉄槌1つで床を破壊するほど。