大学に入ってから、僕は家庭教師のアルバイトを始めた。
派遣先はごく普通の家庭・楠家。
母親の蒔絵さんとも、すっかり顔馴染みになっていた。
しかし正直、今のアルバイトは色々な意味でストレスだった。
蒔絵さんの豊満な身体にムラムラするのと、あの生意気な教え子のせいだ。
毎回なぜか敵意むき出しで僕を目の敵にする。
単に勉強が嫌いという以上のものを感じていた。
「今すぐ辞めたいけど、そうなると蒔絵さんに会えなくなるしなぁ…… ん? なんだこれ」
日課のネットサーフィン中、何気なくマウスポインタが止まった先、
そこにはこんなバナー広告があった。
――貴方の夜を一変させる、脅威のラブポーション――
普段ならそんなもの笑って無視するところだけど、今日は違っていた。
クリックして、サイトへジャンプする。
そこに書かれていたのは、いかにも妖しげな文言たち。
――とても強力な薬です。一日一錠のみ服用ください……――
アオリ文句はよくある感じだったけど、効能書きはいちいち注意が多い。
もしかすると、これを使えば蒔絵さんと……。
もちろんそんなうまい話があるわけはないが、
このままじゃ悶々とする日々が続くばかり。
それならばと、僕は荒っぽくマウスをクリックし、
購入画面に必要な項目を入力して、薬を購入した。
「……さて、どうなる、かな」
なんだか、急に胸がドキドキしてきた。
ものすごく悪いことをしているような、
それでいて気持ちが昂ぶってくるような。
“媚薬” その素敵な響きが、僕を興奮させていた。