女子校生の 藤ヶ崎美帆 は、数年前に海洋学者だった母を亡くして以来、しばらく父と二人暮らしを続けていた。 父は大型クルーズ船『ノーザンライト』の船長をしていたが、母の死をきっかけに船を下りた。 しかし美帆は、父がいずれ船の仕事に戻りたいと思っていることに気付いていた。 家事なども一通り自分で出来るようになった美帆は、当時の同僚から復帰を勧められて迷っている父の背中を押した。 そうして船へ戻ることになった父は、しばらく副船長として勤めたのち、いよいよ船長への正式な復帰が決まる。 それはちょうど、『ノーザンライト』200回目の航海記念クルーズであった。 そんな折、美帆は親友の 守部潤 から とある話を持ち掛けられる。 記念クルーズで短期アルバイトを募集しているから、一緒にバイトをしようという誘いだった。 ちょうど夏休みの期間中ということもあり、二人でならと誘いに乗る美帆。 こうして、潤と共に父の記念すべき船長復帰クルーズへ参加することが決定する。 夏休みになり、数日の研修を終え、いよいよ航海が始まる。 慣れないアルバイトに苦労しながらも、今回のクルーズでイベントをしているアイドルの 来栖乃々果 や、 学生ヴァイオリン奏者の 音羽咲希、カジノのディーラー・水梨ナディア などと親しくなり、楽しく充実した時間を過ごす。 この夏休みは、一生の思い出になる……。 そう確信する美帆だったが、その先に悪夢が待っているとは夢にも思わなかった。