行くあてのなかった有坂秋桜里が、迷い込むようにしてやってきた美浜学園。 “殺し屋育成学校”の教員という特殊な状況下で、彼女は既に三ヶ月の時を過ごしていた。 懸命に状況に適応し、生徒たちとも寄り添っていたはずの有坂だったが、学園は厳しい評価を突き付ける。 「謙虚で、不器用だけれど真面目で、何事にも熱心で真摯に向き合って……」 「良い先生だとは思うけど、それだけで務まるほど美浜の職員は甘くはないのが現実だ」 有坂は学園を巡り、改めて“殺し屋”として育てられてきた少女たちと対話することで自分を見つめ直す。 ──その最中。錆のように心を蝕む、あの悪夢が蘇る── “人殺しの家”で、繭のように心を閉ざしていた少女。 あぁ、怖い。 外の世界が怖い……。 どうすればいいの? どうすれば許してくれるの? 私がなにをしたの? もう許して……。 有坂に、人生最大の決断の瞬間が迫る。 「それでもこの仕事を続けるかね?」 彼女の選んだ世界とは──。