──西暦1909年。 ──永遠の灰色雲。光輝くことを忘れて久しい空。 ──人々は太陽の輝きを忘れただろう。星々を忘れ、夜空に星座の在ることも。 ──けれど。 ──けれど、隙間が。 ──それとも。 ──ある時、隙間が生まれたという。ほんの僅かな亀裂のような、灰色の隙間。 ──その先に何を見る。何が見える? ──中天の陽か、月か、それとも。 ──ふるきものではなく、新しきものでもなく。 ──誰もが知り得ぬ、隠されしものか。 ──いずれにせよ、目にせねば分かるまい。故に。さあ。 ──さあ、空を。