「本当に見たんです」
まだあどけない顔の少女はまっすぐな瞳をむけ私に向かって言った。しかし私は、半信半疑で彼女の言葉を聞いていた。それもそのはず。彼女は天狗を見たと言うのだ。
「点呼の時間だというのにA子の姿が見えないのに気がついて、皆で捜していたんです。すると、助けを呼ぶ声がしたので行ってみると……」
少女は友人が襲われた時のことを思い出し、唇を噛みしめしばらく口ごもり、やっとの思いで言葉を続けた。
「A子は天狗に襲われたんです。私逃げていく姿を見ました! 黒い着物にうちわ、赤くて長い鼻。あれは確かに天狗でした!」
果たして少女の話は嘘か真か! あなたは信じられますか……?