大都会を発った直通電車が速度を落とす。 光と緑と潮風とに彩られた平野に、一つの都市があった。 その中心となるのは、私立汐美学園。 学力優秀な者だけでなく、分野を問わず一芸に秀でた者までもが集う学園だ。 輝く星のごとき才能は、数えること約5万。 自由と希望を身に纏い、今日も学生たちは闊歩する。 広大な学域にそびえる、図書館<叡智の城>の最奥。 静寂に支配されるべき閲覧室からは、しかし、弾んだ声があふれ出る。 部屋を占拠するのは6人の学生たち。 先日まで、縁もゆかりもなかった彼らが、何故この場に集まっているのか―― その密やかな理由は、まだ誰も知らない。 笑顔の中心で本のページを繰る、彼でさえも。