加拉哈德

男は、半ば伝説として語られている存在である。 ガラハッド。 『魔物に最も近い魔法使い』とも呼ばれている。 その異名に相応しい奇怪な姿で、魔物達に挑み続けている。 何かに取り憑かれたかのように、男は血を求めていた。 もし、本当に「取り憑かれた」のだとしても無理はない。 ガラハッドが今まで生贄にした魔物の数は、千を優に超えると言われる。 生贄にした数と同じだけの『魂』が、男の右腕に宿っている。 その魂たちが、男の意思とは関係なく、暴れだそうとする。 「生贄の代償」は、腕のみならず、ガラハッドの心身を蝕んでいる。 もはや動くだけでも体が痛むらしく、苦痛に顔を歪めている。 それでも、ガラハッドは魔物と相対するのをやめようとしない。 男は何も語らず、ただ頑なに殺し続ける。 『魔物に最も近い』ということは、いつ本物の魔物になるか分からないということ。 男に誰も関わろうとしないのはそのためだ。 血塗られた道を歩むほどに、男は人間扱いされなくなり、孤独になった。 だから、誰も知りえなかった。 魔物に最も近い男が、まだ失わずにいる微かな「人間らしさ」を――

打开APP,查看更多精彩内容