休業中の理容室で、愛犬の くー と共に一人暮らしをしている。 優しい近所の人や友達に囲まれて、のんきな毎日を送っているようだ。 おしゃべりや甘いもの、気心の知れた友達と遊びまわるのに忙しくて、異性との恋はまだ自分には縁の無いものだと思っている。 毎日はバラ色だと少女は言う。 けれど桜を見るたびに、なんだか無性に気持ちが寂しくなるような、何かを忘れているような、切ない思いになる。 それも、あるいは年頃の少女なら誰もが抱きがちな、平凡な感情なのかもしれない。 「春だねぇ。 恋だねぇ…。 ってわたし、何言ってんだ」