ネズミ

ネズミ

原名:

ネズミ

死の際に立つ、美麗な伏し目の少女。

沈魚落雁、閉月羞花とはよく言ったもので、思わず目を逸らしてしまうような、

近寄り難くも蠱惑的な美しさを持つ貞女。

その眼差しはどこか見透かすような冷たさを持っている。

死を望みながら『尊厳維持装置』を忌諱しており、首吊り自殺、焼身自殺、飛び込み自殺、

頓服自殺といった所謂“旧来”の自殺方法の中から自分のもっとも望む理想の死を模索している。



彼女にとって、死とは夜闇を照らす月のようなものだ。輪郭すら不確かな世界で、死だけは揺ぎ無く存在している。



夢想家のようでいて、徹底したリアリストのようでもある。死を語る言葉は楽天的なようでいて、シニカルだ。死に臨むが故に、死を望む彼女は、その姿を変えるかのように輝く。彼女は、月の光に咲いた硝子の花のように美しい。