本来は願いを叶えるとされていたオタカラ「聖杯」が統制の神と化した存在。
聖杯が大衆の「誰かに全てを任せて、自分は特に何もせず何も考えず生きていきたい」という怠惰な願いで歪んだ結果、統制の神と化したもの。人間に失望しており自らは人間を管理するための存在になり、最終的に人の自我を奪って現実世界をメメントス化させる事を目論んでいた。
そのため人間の可能性を信じているイゴールに対して、それぞれ「トリックスター」として選んだ者たちを使って戦わせ合いながら、大衆の本意を見極めるための「ゲーム」を持ちかけた。ヤルダバオトが選んだのが明智[注 15]そしてイゴールに選ばれる筈だったのが主人公[注 16]だった。
また、ベルベットルームに侵略してイゴールを封印し、本来の住人であるラヴェンツァを引き裂いて記憶を封じてカロリーヌとジュスティーヌにした。イゴールは封印される寸前に「トリックスターを導くもの」を生み出し辛うじて外界に逃がしたが、以降ベルベットルームはヤルダバオトの支配下に置かれていた。そのため本編ではイゴールの姿に化け、主人公の手助けをしているが、それは主人公を持ち上げた挙句に最後は絶望に突き落とすためでしかなかった。
なお、謎の蝶々(ラヴェンツァ)が語っていた「これは理不尽なゲーム」「勝機はほぼないに等しい」とは、主人公たちの本当の敵は「怠惰した大衆全て」と呼べる存在であり、本来なら主人公を導く中立立場のベルベットルームですら敵の手に堕ちていた事を示していた。
第一形態は聖杯で両隣には巨大な手のようなオブジェがある姿で黒ずんでいるが、大衆の欲望を赤いチューブのようなものから吸う度に体力が回復し金色に輝いていく。但し最終決戦時は最初から金色に輝いている。
第二形態は模様のようなものがあるだけの顔の部分に、超巨大な金属でできた三枚の翼を持つ天使のような姿で、統制神ヤルダバオトはこのときに名乗る。また、戦闘時には腕を生やしそれぞれの腕は「処刑の銃」、「告知の鐘」、「断罪の剣」、「律法の書」を持つ。
設定資料集では「顔はミラー状になっていて、顔を覗き込んでも見ている人が映るだけで、ヤルダバオトの真意はわからないといったイメージにしたかった」とある。